チョコの臭い

自分にとって輸入チョコといえば『匂い』ではなく『臭い』だ. 高校の頃, バス停までの通り道に輸入菓子の店があって, 安くて沢山チョコレートの入った袋を買ったことがある. ハーシーのキスチョコだったかもしれないけれど, 似て異なるモノだったかもしれない. いかにもアメリカの大衆用という感じで, とにかくそれは臭った. チョコの臭いといえばそうなのだが, 想像力を働かせると食い物ならざる臭いにも感じられた. 大元の豆に違いはないはずなのだが, 製法か保存法か. 日本のチョコレートではあまり見ないブルーム現象も普通に起きている. 普段口にするチョコレートとの差に驚いた.

しかしチョコレートを食べたい欲求ならそのチョコでも満たされた. 味よりも, 輸入チョコであることとか, 輸入菓子屋の雰囲気とか, 下校時に食ったこととか, そっちの方が強く記憶に残っている. 後を引く日本のチョコレートに比べると不器用そうな輸入チョコだけど, 臭さも不味さも嫌いにはなれない.

まあどっちか選べって言われたら明治やロッテを選ぶけどね.