「恋する山がある」はただの出会い系ストーリーではない

PENTAX界隈で話題になっている「恋する山がある」という漫画。この漫画が巧妙なのは、PENTAXを使えばモテる・買えばモテるという受動的展開ではなく、PENTAXユーザーの積極性が出会いに繋がっている点だ。

PENTAX LX Viewfinder

主人公はPENTAX女子どころかカメラ女子ですらない。彼女とPENTAXを繋いだのは男性(以下悠斗君)だが、悠斗君はただ漫然とカメラを構えるのではなく、女子の集団に話しかけるという大胆な行動力を持っている。話しかける必然性があったのではない。撮ろうと思えばスマートフォンでも美しい写真は撮れるし、山に行ったら写真を撮るのが道理というわけでもない。吹けば飛ぶような接点だったのだ。だが、悠斗君は女子集団に話しかけた。誰にできることではない。彼に何らかの下心はあるだろうが、自分の容姿や器量に自身がなければ行動は起こせない。そして仮に無視されてもその状況に耐える覚悟。悠斗君にはあったのだ。この覚悟の結果、恋の女神は悠斗君に微笑んだのだ。

注目すべきポイントとして、悠斗君のK-50は赤いオーダーカラーである。黒や銀の硬派な色でなく、白やピンクの柔らかさでもない。攻めの赤だ。PENTAXでなければできないオーダーカラー。悠斗君は攻める道具としてPENTAXを選んだのだ。

この「攻め」が漫画のテーマではないだろうか。まずは悠斗君の攻め。そして、PENTAXの攻めだ。

現状のRICOHとPENTAXのカメラはプロフェッシナルに訴える力を持たない。画質の良し悪しではなく、幅広い商業作品に対応できるレンズとセンサーの多様性においてPENTAXの準備はまだ整っていないのだ。必然的に、PENTAXはニッチ市場や女性層へアピールする必要がある。PENTAXの凄いところは、他のメーカーの売り場では聞かない「かわいい!」という声が購入動機になっていることである。PENTAX以外の選択が限りなく正解に近い現状で、購入の1択を作り上げているのは流石だ。

ブランド名だけの存在になりながらもRICOHを依り代に生き続けるPENTAX。この漫画にも、ブランド存続のための意思が強く感じられた。

PENTAX-M F1.4 50mm

しかしこんな奴らがいたら、山サイドからは羽生丈二が、カメラサイドからは深町誠がエベレストから駆け下りて殴りに来るだろう。

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